【第3回】ぷぅ先生のこれまでの歩みを教えて!

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話しているこうのすけ

ねぇねぇ、ぷぅ先生。

前回は、先生が「経腟超音波」という画期的な方法で胎児の脳を観察して、世界中の学会で引っ張りだこになったお話を聞いたよね。

でも、そんなに世界から求められている先生が、どうして自分でクリニックを作ろうと思ったの?大きな病院にいることもできたはずだよね。

「そうねぇ…。当時の日本の産科の状況を見ていて、私の中にある強い思いが芽生えたの。
それが『胎児を診ずして、胎児診断あらず』という信念よ」

胎児を診ずして、胎児診断あらず……?

「当時、日本ではお腹の赤ちゃんの病気や異常を専門に、精密な超音波でしっかり診断する施設がなかったのよ。出生前診断といえば、羊水検査などの染色体検査のイメージが強くてね。
でも、お腹の赤ちゃんの病気は、染色体のことだけじゃないの。脳も、心臓も、手足の形まで、直接赤ちゃんを『診て』あげないと、本当の診断はできないのよ」

なるほど…。

「『ないものは作れ(If It Doesn’t Exist, Create It)』っていうのが私のポリシーだから、2006年6月に香川県で胎児診断専門のクリニックを開設したのよ。翌2007年の11月には、もっとアクセスの良い大阪の上本町に移転して、今に至るの」

笑顔で話しているこうのすけ

すごい行動力…!

しかも、今ではよく聞く「胎児ドック」っていう言葉、あれもぷぅ先生がオリジナルで作ったんだよね。

「ふふ、そうよ。2000年に私のオリジナルの胎児チェックシステムを『胎児ドック』と名付けてね、クリフムでは今も進化させ続けているんだから。日本にはそういうふうに総合的に赤ちゃんを診る仕組みもなかったから、これも『ないものは作れ』ね」

話しているこうのすけ

クリニックだけじゃなくて、仕組みまで自分で作っちゃったんだ!

あ、あとさ、クリフムってクリニックっていうより「高級ホテル」みたいだよね。

絨毯のところも土足OKだし、いいお花も飾ってあるし、エレベーターのところまでキレイだし…。

「ありがとう。そこにも、私のこだわりがあるの。
クリニックが入るビルが決まった時、実はごく普通のオフィスビルだったのよ。でも、不安を抱えてやってくる妊婦さんに、殺風景な玄関やエレベーターから入ってきてほしくなかったの。
だからビルのオーナーさんにお願いして、『私が費用を出すので、エントランスからエレベーターの中まで、モダンで高級感のある空間に改装させてください』って頼み込んだのよ」

驚いているこうのすけ

ええっ!自分のクリニックの中だけじゃなくて、ビルの入り口から変えちゃったの!?

「そう。それにね、クリニックやラウンジも、あえて『土足でもOK』にしているの。
もちろん、ヒールやブーツの方は楽なスリッパに履き替えてもらうこともできるのよ。
また、ラウンジや個室ではご家族で食事をしたり、お父さんがお仕事したり、子供さんがお昼寝したりすることもできるの。
こういうこだわりって、ビジネスの効率だけを考えたら無駄かもしれない。でも、その一見無駄に見える『非生産的な余裕』こそが、患者さんの心を豊かにして、安心とやすらぎにつながるんじゃないかと思ってね」

だからクリフムにいると居心地が良くて、ホッとするんだね。ただ病気がないかどうか検査・診断する場所じゃなくて、来る人の心のことまで全部考えて作られた場所なんだ。

「そうだ、こうのすけ。クリフムの床や壁、天井をすべて手がけてくれて、今でも新築みたいにピカピカに保ってくれている内装業者さんがいるんだけど、どんな人だと思う?」

えっ、プロの業者さんじゃないの?

「もちろんプロよ!
でもね……25年くらい前に、私が担当した患者さんのご主人でもあるの」

驚いているこうのすけ

ええっ!?患者さんのご主人!?

「私がまだ香川の病院に勤務していた頃の話よ。私が勤めていた病院で何度か流産を経験されて、悲しみのどん底にいたご夫婦がいてね。看護師長が「今度はぷぅ先生に診てもらいなさい」って患者様の手と私の手を繋いでくれたの。前の妊娠のとき、子宮の入り口が柔らかすぎて、流産予防のために子宮を縛っていた糸が逆に子宮の入り口を損傷してしまっていて、赤ちゃんが袋ごとそこから子宮の外にでてしまい、赤ちゃんを亡くされていたの。痛みもないから、気づきようもなくて。
ご主人は本当に目力が強くて、ずっと怖い顔をして、私にこうおっしゃったわ。『次に妊娠したら、先生はどういう作戦で行くおつもりですか』って」

ご主人も赤ちゃんを失いたくなくて、必死だったんだね。

「ええ。だから私は、傷のあるところには触らず、傷より上を柔らかく二重に縛るという手術を提案したの。その手術をしたあともずっと入院されていたのね。
そうしたらね、ご主人は奥さんに『産むまで絶対安静!』と言って、病院のとなりにある美容院に行くことすら許さなかったのよ。
そして……無事に、赤ちゃんが満期で生まれたの。その瞬間ね、ずっと怖い顔をしていたご主人が、初めて笑ったのよ。『あ、この人、笑えるんだ』って、私もホッとしたわ」

よかったぁ…!

「でもね、物語はこれで終わりじゃないの。1年後くらいにまた妊娠されてね、私のところに来てくださったの。ご主人は『ぷぅ先生に任せておけば大丈夫だから』って、笑いながら絶大な信頼を寄せてくれて。
その時も手術をしたんだけれど、退院する時の診察で背筋が凍ったわ…。手術で縛ったところが、ズリズリとズレてきていたの…。前回の10ヶ月の妊娠、分娩のせいで、さらに子宮の入り口が柔らかくふにゃふにゃになっていたからだと思う」

えっ…!そんなことが…!?

「私はご主人を呼んで、はっきり申し上げたわ。『これは失敗です。もう一度、私に手術をやり直させてください』って」

ご、ご主人、すごく怒ったんじゃない……?

「それがね。ご主人はニコニコ笑いながら、『はい、お願いします。ぷぅ先生だから大丈夫!』って言ってくださったの」

えっ!怒ってなかったんだ…!?

「本当に申し訳なくて、怖かったんだけどね。
でも、その言葉に救われてもう一度手術をさせてもらって、無事に元気な赤ちゃんが生まれたの。
そのご主人がね、私が大阪でクリフムを開業してからもずっと内装をやってくださっているのよ。『壁紙が少しペロンとなっているの』って言うだけで、香川県からわざわざ飛んできて直してくださって…。『ぷぅ先生のためなら、何でもやります』って言ってくださるのよ」

笑顔で話しているこうのすけ

うぅ……ぼく、涙が出ちゃうよ。

クリフムのあの居心地の良いキレイな空間は、高級感を意識した場所なんじゃなくて、ぷぅ先生と家族の「命をつないだ絆」と「愛」でできている特別な場所なんだね。

「出生前診断は、『診断することがゴールではなく、診断したときがスタート』なの。
もし赤ちゃんに病気があっても、そこからご家族が後悔しない人生を送るためにどうやってサポートしていくか。一緒に悩み、一緒に涙を流して、赤ちゃんの命と向き合う。それがクリフムの本当の役割だと思っているわ」

話しているこうのすけ

ぷぅ先生の周りに世界中から人が集まる理由が、わかった気がするよ。

ぷぅ先生、今日もお話を聞かせてくれてありがとう!

次のお話も、楽しみにしてるね。

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