NIPTとは

What is NIPT?

※クリフムではNIPTを実施しておりませんが、NIPTを受けられた方のセカンドオピニオンとしてNIPT陽性専門外来を設けております。

最近では、無認可施設で、トリソミー以外の染色体数異常や、微細染色体欠損や微細染色体重複などの細かい異常がわかることもあり、NIPTを受けてこれらが陽性になったという患者様がたくさん来院されるようになりました。

施設によっては5つの微細異常がわかるという検査もありますが、実際クリフムの絨毛検査で微細異常が判明した赤ちゃんの多くはこの5つの以外の微細異常でした。

最近では全ての染色体の微細異常を検出できるNIPTと謳っている施設もあります。しかし、微細異常は妊婦さん自身が持っている場合でも陽性と出たりすることがあります。微細異常などを確認するのは通常の羊水検査などでは不可能で、マイクロアレイという特殊な検査をしなければならないのです。クリフムの絨毛検査・羊水検査では「すべての染色体の微細異常」がはっきりとわかるので安心できます。

NIPTを受けた後で気になることがあれば、お気軽にお問い合わせください。

NIPTについて

NIPTは「新型出生前診断(non-invasive prenatal genetic testing)」を意味する、お腹にいる赤ちゃんの染色体異常を調べる検査です。

この検査は、妊婦さんの血液から赤ちゃんのDNAを検査して、染色体異常がないか調べるために開発されましたが、21トリソミーではある程度の陽性的中率の高さはあるものの18トリソミー、13トリソミーの陽性的中率は低くなると言われています。なので、NIPT陽性となった方は、必ず確定検査(絨毛検査か羊水検査)を受けなければならないです。

また微細染色体異常などが陽性となることもありますが、微細染色体異常は通常の施設でのG-band検査では確認することができません。クリフムのNIPT陽性専門外来にもこのような相談が多く寄せられますが、クリフムの確認検査では微細染色体はきちんと調べられますので安心してください。

医学界におけるNIPTの位置づけ

NIPTは医学界の中では「診断」ではなく「スクリーニング検査」と考えられているので、従って羊水検査や絨毛検査に取って代わるものではないとされています。

NIPTは非常に精度が高いと言われていますが、落とし穴もあります。この根拠となるデータはほぼ「高リスク」例での研究であり、「低リスク」例でのデータでは偽陽性も多くなるようです。偽陽性の可能性(NIPT陽性であっても羊水検査で正常である場合)は良くみられ、偽陰性(NIPTは陰性とでていたのに生まれてきたらダウン症である場合)もあります。

アメリカでは多くの妊婦が受けているという話ですが、NIPTが保険でカバーされ妊婦負担が極めて低額であることなど日本とは実情がまったく違います。

NIPTは本当に99%ダウン症をみつけられるの?

いいえ、NIPTで陽性といわれても30歳のママなら半分がダウン症、残りの半分は正常な赤ちゃんなのです!

「えっ?」と思われる方もおられるでしょう。そもそもNIPTが始まった時にメディアが「99%」と大騒ぎしたことで、患者さんだけでなく、産婦人科医までが99%を信じ、その後長い年月、誤解され続けていました。

NIPTは、21トリソミーに対しては精度の高い検査のように感じますが、決してそうではありません。

ここではわかりやすくするために、20歳のママと40歳のママの集団を考えてみましょう。

ママの年齢が上がるにつれてダウン症の赤ちゃんを持つ可能性が高くなります。ママの年齢によって変わってくるダウン症の確率を「有病率」としましょう。20歳の場合ダウン症の赤ちゃんが宿る可能性は1,500人に1人、40歳では100人に1人です。

では20歳のママがNIPTを受けて陽性という結果が出た時、本当にダウン症であるのはたったの37%です。つまり、NIPT陽性と言われた人のうち6割の人の赤ちゃんは正常なのです。

次に40歳のママがNIPTを受けて陽性という結果が出た時、本当にダウン症であるのは90%。つまり、NIPT陽性と言われたても10%の人は正常な赤ちゃんなのです。

陰性的中率(陰性と出た場合に本当に陰性である)は20歳の妊婦さんでも40歳の妊婦さんでも非常に高いので、「陰性」と出たときには素直に喜んでいいでしょう。

NIPTでわかること

NIPTでは21トリソミー、18トリソミー、13トリソミーの染色体異常の有無がわかり、妊娠初期の10週から妊娠後期まで受けることができます。妊娠中期よりも初期のほうがより検出率が高いという特徴を持つ検査です。

胎児の先天的な形態異常にはさまざまな要因がありますが、NIPTでわかるのは基本的には21トリソミー、18トリソミー、13トリソミーの3つの染色体になります。それ以外の染色体トリソミーの赤ちゃんはNIPT検査をするころまでにほとんど流産されてしまいますので、あまり意味がありません。

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また微細染色体異常はすべての染色体上のあらゆるところで起こる可能性がありますので、もし受けられるのであればいくつかだけ選択された微細染色体異常検出のNIPTより、全ての微細染色体異常検出ができるものの方がよいのではないかと考えられています。

21トリソミーとは

21トリソミーはダウン症と呼ばれ、出産時の母体年齢が20歳ではおよそ2,000人中1人程度ですが、40歳ではおよそ100人に1人程度と、母体年齢が高くなるにつれて、発症率が高くなるのが特徴です。

21トリソミーは21番の染色体が1本多いことで起こり、頭がやや大きくて手足がやや短い、低身長、特徴的顔貌、発達遅延といった身体的特徴が現れることが多いです。

また約半数に心臓の異常が見られ、その他の合併症も見られることがあります。

18トリソミーとは

21トリソミーに次いで発症率が高いのが18トリソミーで、約3,500~8,500人に1人程度の割合で確認されています。

18トリソミーの胎児は、その約60%が子宮内で亡くなってしまいます。出生後の寿命も男児で約1.6カ月程度、女児では約9.6カ月程度と極めて短くなる染色体異常です。

出産できた場合でも、18トリソミーでは低体重出生となるケースが多く、その後は成長障害や運動障害が起こりやすくなります。

顎が小さい、後頭部が突出、両眼隔離、手指重合や手足の拘縮といった、身体的な特徴もよくみられ、心臓病の頻度は非常に多く、また脳発達もかなりゆっくりです。

13トリソミーとは

13トリソミーはパトウ症候群とも呼ばれる染色体異常。13番染色体が余分に複製されることが原因で起こります。その発症率は5,000~12,000人に1人程度とされています。

発育不全、脳の重症な病気、顔面の病気、心臓病、小指側の多指症など各所に異常が発生するのが13トリソミーの特徴ですが、病気の程度には個人差がとてもあります。生命予後は悪く、多くは妊娠初期から中期にお腹の中で亡くなってしまいます。生まれるところまで頑張る13トリソミーの赤ちゃんは稀ですが、生まれてからも長生きはなかなか難しいです。

その他の染色体トリソミーとは

21番、18番、13番以外の染色体トリソミーの赤ちゃんはNIPT検査をするころまでにほとんど流産されてしまいますので、あまり意味がありません。

もしNIPTで他の染色体トリソミーという結果が出た場合は多く、モザイク(正常染色体を持つ細胞とトリソミー細胞とが混在)であることが多く、またモザイクである場合の多くは胎盤のみにトリソミー細胞があり、赤ちゃん自体はまったく問題がない場合が多いのです。

もし無認可施設でのNIPTで21番、18番、13番以外の染色体トリソミーという結果を受け取った方は、クリフムで胎児ドックを受けてみられてはいかがでしょうか。

微細染色体異常(微細欠失・微細重複)とは

微細染色体異常(微細欠失・微細重複)は、すべての染色体上のあらゆるところで起こる可能性がありますので、もし受けられるのであればいくつかだけ選択された微細染色体異常検出のNIPTより、全ての微細染色体異常検出ができるものの方がよいのではないかと考えられています。

微細染色体異常が起こっている場所により、そこに乗っている遺伝子が違いますので、実際に病的症状が出るかどうかは詳しい検査をしてみないとわかりません。

また、微細染色体異常が胎盤だけにおこっており、赤ちゃんはまったく問題がない場合もありますので、羊水検査でSNPmicroarray検査を行って確認することが必要となります。

NIPTのメリット・デメリット

NIPTにはメリットもデメリットもあります。NIPTを考えているご夫婦には、NIPTのメリットだけでなくデメリットについても事前に知っていただき、納得したうえで受けていただくことが大切です。例えば赤ちゃんの首のむくみ(NT)が分厚いからNIPTをうけるというのは間違った選択です。NTが分厚い赤ちゃんには、NIPTでわからない異常がたくさん含まれています。

NIPTのメリット

ママの血液だけで、生まれる前の赤ちゃんの一部の染色体異常を検査できるのがNIPTの最も大きなメリットでしょう。

NIPTでは、21番,18番,13番染色体の異常の有無を調べることができます。この3つの染色体異常は妊婦さんの年齢が高いほど発症率が高いといわれており、妊娠10-15週の間に受けられます。

またNIPTはママの採血のみで行われるので、無侵襲検査であるというメリットもあります。

NIPTのデメリット

最近では産婦人科でない施設でNIPTを提供しているところが多く存在しています。産婦人科ではないので赤ちゃんの確認をせずに採血を行っていることになります。無認可施設でのNIPTを受けられる方は、産婦人科で赤ちゃんの確認をしてからのほうがいいでしょう。

以前、クリフムにこられた患者様の赤ちゃんがお腹の中で亡くなっていたことがありました。NIPTの採血をした時期にはすでに亡くなっていたのだろうと思われました。

NIPTでもし陽性反応が出たとしたら、その不安が大きくふくらむでしょう。あくまでもママの血液中に存在する赤ちゃんのごくわずかなDNAから調べる検査ですので、お腹の赤ちゃんが本当に染色体異常になっているのか、とくに問題なく育っているのかは、実際に赤ちゃんを診たり染色体検査をしたりしなければ、正確に診断できません。

確定検査ではないがゆえに、検査結果が陽性だった場合、ママやパパが宙ぶらりんな気持ちなってしまうのがNIPTのデメリットです。

またNIPTは自由診療扱いになるため、医療機関によっては費用がかさんでしまいます。日本では実際の妊婦負担額はダウン症・18トリソミー・13トリソミー検査だけでも9万円から21万円前後で、微細染色体異常を含むともっと高くなるようです。確定検査ではないのにここまでのコストの高さもNIPTのデメリットです。

NIPTの検査の仕組み

NIPTの検査の仕組み

ダウン症の赤ちゃんには、通常は2本しかない「21番染色体」が3本あります。つまり、ダウン症の赤ちゃんがママのお腹の中にいる場合、21番染色体のDNA量は、正常な場合と比べて1.5倍となるのです。

NIPTでは、採取した母体の血液に含まれる胎児の細胞のDNA断片を分析することで、この21番DNA量の数値に異常がないかを調べることができます。母体の血液に含まれる21番DNA量はごくわずかで、異常があると言っても非常に小さな差ですが、NIPTには次世代シークエンス法といわれる新技術が用いられており、このごくわずかなDNA量の違いを検出できるのです。

また、21番染色体が3本ある21トリソミー(ダウン症)は高齢妊娠の際にクローズアップされがちですが、12週のダウン症胎児の宿っている割合を、妊婦さんの年齢でわけると、理論上は下図のようになります。

理論上の12週時のダウン症胎児数

理論上の数字ではありますが、ダウン症の赤ちゃんの約半分は34歳以下のママに宿っているといわれています。

国際出生前診断学会(ISPD)の声明でも
「母体年齢のみでのリスク評価は正当ではない」
「初期超音波もNTのみの場合は不十分である」
とされているのです。

NIPTは高リスクの人には有効で、偽陰性・偽陽性は非常に少ないというデータには異論はないようです。いずれは超音波での検査よりも血液検査を先にする時代が来るのでしょう。

しかし、妊婦さんの血液のみで検査できるのはNIPTのメリットの1つではありますが、お腹の赤ちゃんの診断なのに、赤ちゃんの姿を一度も見ることなく、採血の結果だけで診断が出されることになります。それが、かえって妊婦さんたちを混乱させることにならないか、不安にさせてしまわないか心配です。

NIPTが本当に患者さまの不安を解消してくれるかどうか、NIPTを受けるかどうかを決めるのは患者様自身。精密超音波検査でわかることも踏まえて、ママとパパが決めることなのです。

NIPT陽性時にクリフムが行なうこと

NIPTで陽性(Positive)と出ても確定した結果ではありません。

NIPTで陽性と出ても確定した結果ではありません

新型出生前診断(NIPT)は非確定検査に分類されており、確定検査よりも確実性が低いことを押さえておきましょう。

NIPTの精度は決して低いものではありませんが、陰性判定を受けた場合であっても偽陰性の可能性は残ります。

一方、陽性反応が出た場合でも、NIPTの判定だけでは正確性に欠けるのが現状です。非確定検査であるNIPTの結果だけで決断せず、当院にご相談いただきたいです。

まずはお腹の赤ちゃんが順調に成長できているか、気になる所見はないか、胎児ドック(お腹の赤ちゃんドック)で詳しく診ていきます。胎児ドックの結果に基づいて、適切な確定検査を案内いたします。

NIPT陽性の時の確認検査法

さいごに

国際出生前診断学会の声明では、妊婦さんたちが知っておくべき情報として以下のように述べられています。

  • 現時点では、NIPTは胎児の21,18,13トリソミーの検出に焦点を絞れば有効と言える
    (FMFのニコライデス教授は「NIPTは21トリソミーのみの検出に焦点を絞るべき」と言っています)
  • 検出率は高いが、決してすべての21,18,13トリソミー例を検出できるわけではない
  • 偽陽性率は低いが、時には偽陽性結果があるためNIPTで陽性結果が出た場合には必ず羊水検査か絨毛検査による確定診断をしなければならない
  • NIPT検査をしても臨床的に意味がない例があるが、このような患者には侵襲検査(絨毛検査、羊水検査)が必要である。特にBMIが高い妊婦は検査ができなかったり結果がでないリスクが高い