マイクロアレイ陽性外来
Microarray Positive Outpatient
マイクロアレイ陽性外来 マイクロアレイ染色体検査で陽性と言われたあなたへ
この外来は、他の医療施設で既にマイクロアレイ染色体検査を実施したのち、知りたいことへの解説やセカンドオピニオンを希望している方向けの外来です。
たとえば、
- 担当医師より、症状等の因果関係について詳細な説明を受けていない
- 次の妊娠への影響等についてきちんとした説明がなく、不安を感じている
- 検査後、陽性かどうかについて十分な説明がなく、理解が追いつかなかった
という方を対象に、臨床遺伝専門医による遺伝カウンセリングを行なっています。
当院は出生前診断を行なっている施設ですが、マイクロアレイ陽性外来では、現時点で妊娠中かどうかに限らず、検査結果についてお困りの方を対象としております。
マイクロアレイ陽性外来の料金
その他遺伝カウンセリング・相談 (マイクロアレイ陽性外来のカウンセリングなど) |
5,500~22,000円(税込) |
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マイクロアレイ染色体検査とは
対象者のゲノムについて、ゲノム内での欠失や重複などのコピー数変化(Copy Number Variant)を総合的に調べる検査です。染色体関連疾患の診断補助検査として、2021年10月に保険適用されています。
マイクロアレイ染色体検査は従来の染色体検査と比較して、50〜100倍微細なコピー数変化を捉えることができ、これまで遺伝性疾患が疑われていた方に対して、その原因の特定が期待できる検査です。
しかし、マイクロアレイ染色体検査でヒトのゲノムを詳しく調べると、健常な方であってもゲノムの量がすべて同じとは限らず、複数のコピー数変化が検出されることがあります。健常な方で見られるコピー数変化の多くは、もともと遺伝子が少ないか存在しない部分で起こっていることがほとんどです。そのため、ゲノムに欠失や重複があっても、一般的には健康や見た目に影響することはほとんどないと考えられています。
さらに、マイクロアレイ染色体検査で見つかったコピー数の変化が病気に関連しているかどうかを判断するには、それが「健常な方でも見られる変化なのか」や、「遺伝性の病気で報告されている変化なのか」を、データベースや専門書で調べる必要があります。当然ながら、専門的な知識と経験が求められます。
病原性の評価時に遺伝性疾患の名前が判明した場合、過去の報告を参考にして「現時点で認められる症状がコピー数の変化によるものか」や「将来発症する可能性がある症状」についても説明できます。必要に応じて、その遺伝性疾患を専門とする医療施設をご紹介することも可能です。
マイクロアレイ染色体検査の結果報告書を手元にご準備のうえ、クリフムへご連絡ください。
ご留意いただきたいこと
マイクロアレイ染色体検査で検出されたコピー数の変化の位置や大きさによっては「両親から受け継いでいるかどうか」を調べないと、病原性を判断するのが難しい場合もあります。その際には、必要性についてご説明のうえ、追加検査を実施することも可能です。なお、コピー数変化の病原性を判断する際に、過去に報告がない、または非常に少ない領域については、現時点では判断が難しいこともあります。
病原性が不明な場合でも、その旨を丁寧にご説明いたしますが、病原性を判断するのが難しい場合があることをご理解いただいたうえで、ご相談いただければと思います。