教えて、ぷぅ先生!絨毛検査と羊水検査ってどう違うの?

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疑問に感じているこうのすけ

ねぇねぇ、ぷぅ先生。
この前、待合室を通った時にね、妊婦さんがスタッフさんに「絨毛検査が怖くて…」って話していたの。
絨毛検査は針を刺す検査だよね。血液検査みたいなイメージなんだけど、違うのかな?

「妊婦さんは大切な赤ちゃんをお腹の中で育てているから、不安になったり心配になったりすることも多いと思うわ。
その中でも、絨毛検査や羊水検査に不安を感じる方も少なくはないわね。
絨毛検査や羊水検査が怖いと思う理由は大きく分けて、2つあるの。
1つは、針をお腹に刺すことによる痛みや流産、胎児へのリスクに対する怖さ。もう1つは、結果がわかることに対する怖さね」

『結果がわかることに対する怖さ』って言うのは、どういうこと?

「絨毛検査や羊水検査は、胎児の細胞を調べるために実施するものなの。
超音波検査やママの血液検査の段階では『疑い』だとしても、胎児の細胞を調べる絨毛検査や羊水検査は出生前の『確定診断』になるから、いよいよ結果が出るとなると、そこに不安を感じてしまうのは当然よね」

納得しているこうのすけ

なるほど。結果がわかってしまうことへの不安もあるんだね。

ちなみに、絨毛検査は妊娠11週~13週、羊水検査は16週以降で受けるものだって勉強したんだけど、
赤ちゃんの診断結果をより正確に出すなら、羊水検査まで待ったほうがいいの?

「いいえ、正確性を目的として羊水検査まで待つ必要は無いわ。
絨毛検査は、出生前診断において最も早くできる確定検査であって、どちらが秀でているか…というものではないの」

ふむふむ。
優劣があるわけではないんだね。

「ただ、妊娠11週から受けられる分、早く結果を知って安心できるのは絨毛検査のほうだと思うわ。
実際にクリフムでも、妊娠11週で来られる方が増えているの。
例えば、11週でNIPTを受けて陽性と出た方は本当に陽性かどうかを確定するために羊水検査をする16週まで待たなければならないと日本では決められているの。国際学会では『ダウン症や18トリソミーには、胎盤限局性モザイク(胎盤のみに染色体数異常がある状態)が非常に少ない』と言われていて、NIPTで陽性と出たら絨毛検査で結果を早く出すというのが世界的な傾向になっているわ。
妊婦さんからしても、11~12週でNIPT受けたのに『確定検査は16週からできる羊水検査まで待ってください』と言われるのはしんどいわよね」

疑問に感じているこうのすけ

なるほど…。
じゃあ、ぷぅ先生も『NIPTで陽性が出たら絨毛検査がいい』って考えているの?

「うーん、それはちょっと違うかな。
クリフムではまず11~13週で赤ちゃんの状態を超音波検査でしっかり見てから、絨毛検査と羊水検査、どちらがいいのかを妊婦さんと相談しているわ。
例えば、胎盤限局性モザイクの可能性があるなら羊水検査まで待つほうがいいし、染色体異常の可能性が高いならすぐその日に受けられる絨毛検査のほうがいい。むくみが強い子は羊水が少ないから、貴重な羊水を採らずに済むよう、絨毛検査にしたほうがいいこともあるの。『赤ちゃんの状態』によって、どちらの検査を選んだほうがいいのか変わってくるものなのよ」

気付いたこうのすけ

だから、クリフムでは確定検査の前に必ず胎児ドックを受けてもらっているんだね!
絨毛検査と羊水検査ってゴールは『診断を確定すること』で同じだけど、いろんな違いがあるんだ…。
勉強になるなぁ。

あ、そういえば。
ぷぅ先生、最初のほうで『絨毛検査や羊水検査を受ける時、流産や胎児へのリスクに対する怖さを感じている方がいる』ってお話をしていたよね。
そのお話も聞かせてほしいな。

「こうのすけは本当に勉強熱心ね。
まず、流産リスクなんだけど、絨毛検査は0.2%、羊水検査は0.3%(※1)という研究データが報告されているわ。
必要以上に怖がらないで大丈夫よ」

どちらも、流産のリスクは1%も無いんだね。
あれ?ちょっと待って。
絨毛検査より羊水検査のほうが、0.1%リスクが高いのはどうしてなの?

「それは、絨毛検査と羊水検査では針を刺す場所が違うからよ。
胎児がいる膜の外側に針を刺すのが絨毛検査で、膜の内側に針を刺すのが羊水検査なの。
つまり、胎児に触る可能性があるのは羊水検査のほうで、絨毛検査では触るリスクはないのよ」

疑問に感じているこうのすけ

膜の外…?内側…?
ちょっと混乱しちゃった。

「こうのすけ、丸く膨らんだ風船をイメージしてみて。
風船の外側でちょんちょんって触るのと、風船の中に針を刺すのとなら、どちらのほうが風船は割れなさそうに見える?」

なるほど!こんな感じかな?

風船で絨毛検査と羊水検査を例えているイラスト

風船の外側をちょんちょんって触るのが絨毛検査で、風船の中まで針を通すのが羊水検査なんだ。
それなら、割れるリスクが高いのは風船の中まで針を通す羊水検査のほうだね。

「そういうこと。だから、絨毛検査のほうが羊水検査よりもリスクが少ないといわれているのよ。
まあ、このデータも経験を積んだエキスパートが検査をしてこその結果だから、医師の経験とスキルが関わるのは否定できないけど」

目には見えないところに針を通して、お腹の中の赤ちゃんの細胞を採取するんだから、担当するお医者さんのスキルは無関係とは言えないよね。

「そうなの。それにね、羊水検査では1分くらい時間がかかるのに対して、絨毛検査は数秒で採取終了してしまうから、妊婦さんが『怖さ』を感じる時間もとっても短いのよ」

細胞を採る時間にも違いがあるんだね。

「あと、昔はママの腟からの絨毛検査しかやってなかったのよ」

驚いているこうのすけ

え!?
お腹の上から針を刺していたわけじゃないの?

「こうのすけはクリフムのやり方しか知らないものね。
昔は膣から器具を入れて絨毛を取る絨毛検査が主流だったそうなんだけど、そうなるとまったく何も見えない状態(ブラインド)で、医師の腕だけを頼りに絨毛を採取することになるでしょう。
ブラインドだとママの細胞を採取してしまって誤診になる可能性もあるし、検査後に出血するのは当然で、腟からだとバイキンが入って流産する恐れも高いから、産婦人科医にとっても絨毛検査は怖いものだったのよ。
だから日本ではいまだに『羊水検査のほうが安全で、絨毛検査はリスクが高くて怖い』と考えていらっしゃる産婦人科の先生がいるの」

そうなんだ…。
産婦人科の先生達は、妊婦さんと赤ちゃんがより安全なほうを選ぼうと思って、絨毛検査を少し遠ざけてしまったんだね。

「今ではその考え方も変わって来ているけど、まだ敬遠されているのは事実ね。
日本で行われるすべての絨毛検査の80%以上(※2)が、クリフムで行われているから」

疑問に感じているこうのすけ

大阪だけじゃなくて、日本全体の中の80%ってすごいことだよね!?
世界中で見ても、これだけの絨毛検査を対応している医療機関って少ないんじゃないかな。

「そうね。18,000件以上(※3)の経験がある医療機関って、世界的にも見ても珍しいと思うわ。
でも、ただ数を積み重ねるだけじゃなくて、
クリフムでは2009年から、絨毛検査によって起こるリスクが低くなるように工夫を重ねて来たの。
腟からではなくお腹の上からやる検査方法のみしかやらないし、使用する超音波機器は毎年その年の最新バージョンにアップデートして、カラードップラーっていう方法で見て血管があるところを避けて針を通すようにしているわ。
絨毛検査・羊水検査による一般的な流産リスクが0.2~0.3%のところ、クリフムでは0.1%未満に抑えられているの。
絨毛検査も羊水検査も、どちらも安心して受けられるように工夫してきたのよ」

笑顔のこうのすけ

そうなんだ!
今のクリフムの絨毛検査の実績は、ぷぅ先生達の努力の賜物なんだね。

今日もたくさんお話を聞かせてくれてありがとう。
また気になることがあったら、お話を聞かせてね!

【参考サイト・参考文献】

※1 Ultrasound Obstet Gynecol 2019; 54: 442–451
Published online 6 September 2019 in Wiley Online Library (wileyonlinelibrary.com). DOI: 10.1002/uog.20353
「Risk of miscarriage following amniocentesis or chorionic villus sampling: systematic review of literature and updated meta-analysis」L. J. Salomon, A. Sotiriadis, C. B. Wulff, A. Odibo, R. Akolekar
PubMed®(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31124209/)

※2 2019年度の絨毛検査数計1,760件に対し、クリフムの実施数は約1,400件。左記のデータに基づき、日本で行われている絨毛検査の80%以上がクリフムで行われているといえる。
日経メディカル(https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/202007/566267.html)

※3 2009年~2024年のデータ参照

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