胎児の成長過程

Growth during pregnancy

胎児の成長過程

妊娠がわかると、胎児がどのように成長していくのか気になるものです。こちらでは、胎児の成長を体の部位の大きさから解説しています。

胎児の姿が形成されるまで

胎芽発育シェーマ

妊娠6週の胎芽は少しずつ臓器や神経などが形成され始めますが、頭はまだ小さく、どちらが頭でどちらがお尻か分かりにくい状況です。妊娠7週になると、小さいながらも胎児の形が見て取れるようになり、超音波検査で小さな姿が確認できます。心臓は体の外で動いているように見え、お魚のような感じです。

妊娠8週を迎える頃には超音波検査ではっきりと赤ちゃんの姿を確認できるようになり、手足も小さく動かしているのがわかります。頭は大きく2.5頭身という感じになってきます。妊娠10週になると胎児と呼ばれるようになり、手足の指がはっきりと分かれて見えてきます。超音波では、本当に可愛い赤ちゃんの動きが手に取るようにわかります。

胎芽の発育について

妊娠7週の前半では、胎児の体はまだはっきりとは見えません。7週後半になると目や神経、臓器などが形成され、だんだんと胎児の姿が現れてきます。この時期の胎児はまだ7~8mmの大きさ。超音波検査でもまだまだ小さな姿しか写りませんが、心臓の動きを確認できるようになっています。(※正確には妊娠8週ごろは「胎芽」と呼ばれ、「胎児」とは呼びません)

9週目に入ると胎児の成長は著しくなり、手や目の形が少しずつ識別できるようになります。10週を迎えると胎児の大きさは3cm前後に成長。この時期になると顔もはっきりとしてきて、まぶたや耳もわかるほどに成長します。心臓が4つの部屋に分かれて性器の発達も始まりますが、この時点ではまだ性別の判別はつきません。

胎児の脳の成長過程

妊娠8週目までは、正式には「胎児」ではなく「胎芽」と呼ばれます。脳は未発達で、これからの飛躍的な成長に備えている段階です。妊娠9週以降は、「胎芽」から胎児と呼ばれようになり、赤ちゃんの動きが超音波でも手にとるようにわかるようになります。12週を超えると手をグーパーするのもわかるようになります。時に口を開けたりする動作もしてとても可愛い超音波写真が撮れるようになります。

13~16週になると、大脳皮質をつくるために生まれたての脳神経が脳の表面に移動していきます。手足や体を活発に動かしますので、多くのママたちは動画を撮って赤ちゃんの動きを楽しめます。

16週で体重は100gを超え、17-18週では胎児の身長は20cm前後となります。小さな体がどんどん成長していきます。その後赤ちゃんはどんどん大きくなり、29-30週を迎えると、脳の表面にシワができてきて脳の成長がさらに活発になります。このときの胎児の大きさは45cm前後。いつ生まれてもおかしくない状態にまで成長しています。

脳の成長過程

胎児の脳ドック(お腹の赤ちゃんの脳専門外来)を見る

胎児のからだの成長グラフ

胎児は、おおよそ40週程度ですべての臓器や器官、脳などを形成します。体の部位ごとにその成長を見ていきましょう。

身体の成長過程

頭部横径(BPD)

頭部横径(bpd)
頭部横径

頭部の形成は、心臓や各器官、神経とともに、比較的早い段階から始まります。妊娠8-9週で既に脳が左右の二つに分かれてくるのが超音波で確認できます。妊娠10週目の頭部の横径はまだ10mm前後しかありませんが、その後の発達速度は非常に早く、20週では40~50mmまで成長。この頃になると、超音波検査で顔全体や耳や首の状態がはっきりと確認できるようになります。

36週目なるころには、頭が下向きになり骨盤に固定され始めます。このタイミングから胎動を感じる回数も減少する傾向にあります。

腹囲(AC)

腹囲(ac)
腹囲

妊娠16週の胎児の腹囲は10cm前後しかなく、成人女性の手首周りよりも小さいサイズです。20週では15cm前後に成長し、32週では25cm前後にまで成長。臓器の形成は妊娠初期から始まっていますが、32週まで成長を続け、残りの週数で完全な形質を獲得します。出生時の腹囲には多少個人差がありますが、35cm程度になります。

大腿骨長(FL)

大腿骨長(fl)
大腿骨長

大腿骨は「ふともも」の骨。大腿骨は妊娠16週では15~20mmしかありませんが、妊娠30週では50~60mm、出産直前では70~80mmにまで成長。妊婦が感じる「胎動」には個人差がありますが、18〜19週前後から感じ始めます。

これは、大腿骨の成長に伴い、胎児が動かした脚が妊婦のお腹に当たるためです。超音波検査をすると一生懸命に足を動かす様子がわかります。20~28週頃には赤ちゃんの大腿骨はかなり発達し、ママのお腹をキックするのが感じられます。

体重

体重

妊娠18週ごろの胎児の体重は200g程度ですが、30週を迎えると1,500g程度にまで増加し、出生時の体重の約2分の1に到達します。この時期から先は「妊娠中期」を迎え、妊婦のお腹も大きくなります。40週には3,000gほどに体重が増加するため、その急激な変化に驚いてしまう妊婦の方も少なくないようです。