染色体異常のスクリーニング検査と診断検査

Prenatal tests for chromosomal abnormalities

染色体異常のスクリーニング検査と診断検査

赤ちゃんの染色体異常を見つける方法には、スクリーニング検査と確定検査(診断検査)があります。

スクリーニング検査は、あくまでも染色体異常の可能性が高いかどうかを判断するもので、精密超音波検査(遺伝学的超音波スクリーニング検査)、初期母体血清マーカー組み合わせ検査、そしてNIPT(新型出生前診断)などがあります。(図1)

図1

スクリーニング法では、特定の染色体数異常の有無を調べることができますが、検査方法によって精度も変わってきます。

ただし、スクリーニング法で陽性になった場合でも、確定検査をするまでは異常の有無は診断できません。これは、スクリーニングの中でも精度が高いと言われているNIPTでも同様で、40歳代の妊婦さんがNIPT陽性となっても実際にダウン症でない場合が10人に1人はいますし、20歳代の妊婦さんならNIPT陽性となっても数人は正常であると言われています。

染色体異常の確定検査は、本当に染色体異常があるかどうかを絨毛(胎盤)や羊水中の胎児細胞で調べるもので、絨毛検査・羊水検査という二つの検査法があります。確定検査では、ダウン症(21トリソミー)・18トリソミー・13トリソミー以外にその他の染色体数異常や、染色体の部分異常といった構造異常の有無も結果として出てきます。

クリフムのスクリーニング検査

クリフムの初期胎児ドックで行う精密超音波検査は、遺伝学的診断ではスクリーニング検査であり、形態学的診断としては確定検査にもなっています。(図2)最近では、かなり多くの先天奇形が初期段階から診断されるようになっています。

実際に赤ちゃんを観察して確認するので、妊婦さんの血液検査よりもより確実性が高い情報が得られます。

精密超音波検査
図2

スクリーニング・診断の時期

クリフムでは、妊娠初期(11-13週)を目安として、超音波スクリーニングを行い、希望に合わせて初期血清マーカー組み合わせ検査を行います。(図3)

図3

ここで陰性判定となった場合にはかなり高率に「元気な赤ちゃんである」と考えられますが、陽性判定となった場合には、確定検査を検討してもらいます。

診断検査

確定検査のうち、絨毛検査は11~14(15)週の間、羊水検査は16~20週の間に行い、染色体をはっきり調べます。クリフムの診断検査は昔から行われている「Gバンドによる染色体核型検査」だけではなく、1日でダウン症・18トリソミー・13トリソミーの確定結果がでる「QF-PCR検査」、全染色体の微細染色体異常をしらべる「デジタル染色体検査(D-karyo)」がすべて標準検査として含まれています。