胎児の染色体について

染色体って何?ダウン症ってどんな病気?

染色体とは、両親から受け継いだ遺伝情報が乗った船のようなもの。46本の染色体には、22対の常染色体と一対の性染色体(男性か女性かを決める染色体)があります。たとえば染色体の異常(たとえば染色体の数が多かったり、少なかったり)がある場合は、それが根本的な異常であるため染色体自体を治療することはできません。

正常なヒト染色体 (左が正常男性核型、右が正常女性核型)

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一般的によく知られている染色体異常は、21番目の染色体が1個多く合計47個になってしまったダウン症というものです。そのほかにもいろいろな染色体の病気があります.ある特定の両親からというわけではなく、だれでもダウン症の子供の親になる可能性をもっているのです。多くの場合、染色体異常はいわゆる遺伝によるものではなく、突然起こってしまうものなのです.

21番染色体が3本あります。ダウン症の典型的な染色体の核型です

21番染色体が3本あります。ダウン症の典型的な染色体の核型です

ダウン症の発生率に影響しているといわれているのがお母さんの年齢です。お母さんの年齢が上がれば上がるほどダウン症の発症率は高くなると言われています。通常35歳以上で分娩される方はむくみのあるなしにかかわらず、羊水検査を受けられるかどうかを考えられる機会を設けている施設が多いです。

ダウン症の赤ちゃんを持つ確率

2

FMF online lectureより

ダウン症(21トリソミー)だけでなく、18トリソミー、13トリソミーなども母体年齢とともに発生率が上昇します。ターナー症候群や三倍体などはどの年齢でも一定の割合で発生します。

また、NTが分厚ければ分厚いほど発症率が上がると言われています。ダウン症だけでなく、18番染色体が多い18トリソミー、性染色体が一本しかないターナー症候群、またその他の部分的な染色体異常でもNTは出ることがあります。

18番染色体が多い18トリソミー、性染色体が一本しかないターナー症候群

左:18番染色体が三本ある18トリソミー,いろいろな形態異常も伴い、生命予後も不良。

右:性染色体が一本しかなく、全部で45本の染色体、ターナー症候群と呼ばれる。

赤ちゃんの染色体はどうやったらわかるの?

赤ちゃんの染色体がわかる検査には絨毛検査羊水検査があります。詳しいことはそれぞれの項をご覧ください。絨毛検査・羊水検査の最終結果として赤ちゃんの染色体がすべて表示されます。また、QF-PCR, FISH法により13,18,21,X,Yの染色体数が数日でわかります。また、最近ではアレイCGHという方法でかなり微小な異常が検出されてきています。ただし、検査の結果では性別は教えないというのが原則です。

染色体G-band (通常の染色体検査)

染色体検査の結果は最終このように全染色体を番号順にならべて数や構造を調べた結果として返ってきます。

羊水検査の結果として赤ちゃんの染色体がすべて表示されます

QF-PCR法って何?

羊水あるいは絨毛からDNAというものを抽出して、13番・18番・21番染色体 (およびX, Y染色体)に存在する固有の特異的なSTRマーカーを数種類同時に増幅して分析することにより、その染色体がトリソミーかどうかを量的に示す方法(上図)。一本の染色体で何種類かのSTRマーカーを使用して総合判断される(下図)ため、FISH検査よりも正確性が高く、検査時間が短く、多検体同時検査が可能であるため、ヨーロッパやカナダでは第一選択とされています。クリフムでは迅速かつ正確なQF-PCR検査法を採択しています。

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qfpcr

DNA chip (アレイCGH法)って何?

胎児DNA チップとは、これまでに判明している100以上の遺伝的症候群や細胞遺伝学的異常に関与していることが知られている染色体上の場所を特定するために特別に作られたチップのことです。従来の染色体検査では検出できなかった多くの微小欠失や微小重複などが判明します。超音波検査などで染色体異常が疑われるのに通常のG-band染色体検査では正常とされる赤ちゃんの中にはDNA chipで細かい染色体異常が判明することがあります。DNAチップでは細胞を培養する必要がなく絨毛検査や羊水検査などの検査後8-10日で結果が返ってきます。クリフムでは胎児ドックによる詳細検査でDNAチップの必要があると判断した場合や、絨毛検査や羊水検査を受けられる患者様のご希望に合わせてDNAチップについて説明させていただきます。

図 DNA chipが作られる過程

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図 DNA chipの検査方法

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染色体が正常なら何も心配ないの?

染色体が正常であった場合でも、最初にも説明したようにNTというのは心臓やその他の臓器の先天性の病気の可能性があります。どちらかというとその確率のほうが高いかもしれません.そのため、ドクターぷぅの胎児ドックでは赤ちゃんの全身の臓器チェックを妊娠20週くらいまでに行って、脳・心臓といった重要臓器の細かい構造から手指の骨や鼻骨、唇にいたるまで30項目にわたる全身チェックをし、赤ちゃんの形態異常がないことを確認し、安心して流産の時期(21週6日まで)から早産の時期(22週0日から)を迎えていただきます。胎児ドックで異常が見つかった場合にはその病気がどのような種類のものか、程度はどの程度か、治療方法はあるのか、治療の方法はどういったものかにつき最新情報を提供し、その後の方向性について御両親とお話させていただきます。詳しくは胎児ドックの項をみてください。